★女のオナニー話に否定的な男の人ってけっこういるけど、私も男のオナニー話って別に嬉しくないし面白くもないな〜とふと思った。まぁそういう話をしたいんだろうな〜って黙認してるだけ、みたいな感じ。たまにエロの仕事をしてるから下ネタOKだと思われて、それほど仲良くもなく、性的な関係もない男性から超詳しくナマナマしい性体験の話をされたりすることがあるけど、カラッとしてなかったり、ウィットという名の梱包剤の入ってない知人男性のフレッシュな下ネタってけっこうきびしいものがある。想像したくないんだよ、そういう姿をさ……。


しかし、性的に興味を持っている男性のオナニー話は、いいな……! 自分からベラベラ話されても別にって思うけど、恥ずかしがってなかなか教えてくれないのをちょっとずつ聞き出していくのとか燃える! って考えて、なんか私、渡辺淳一みたいって思って落ち込んできた。


たぶんだけど、男の人が女のオナニー話に嫌悪感を抱く場合は、話してる女が「自分以外の誰か(何か)に欲情して自給自足してて、自分が性的に蚊帳の外に置かれてる感じ」が面白くないんじゃないかっていう気がする。でもそれは、私もしょっちゅう感じてるし、そういうふうに感じてる女って自分以外にもいると思う。男同士では盛り上がる話かもしれないし、女のコ好きの女だったら一緒にグラドルの誰がエロいとかAV女優の誰がいいとか盛り上がれるかもしれないけど。


AVだったら私も興味あるし、好きな女優やピンとこない女優ってハッキリしてるから盛り上がれるんだけど、性的に気になる男性がそういう会話に混じってくると、自分の中で男っぽく女を品定めするような感覚と、女の嫉妬に近い感覚が混線したみたいになって、かなり混乱することがある。私は強烈に嫉妬深いので、これはめずらしい例だと思う。あと、AV女優が身近にいるっていうのもあるな。「芸能人の誰々が好き〜」って言ってるのとは、違うからね。下手すれば普通に出会うし、つきあうこともあるかもしれない範囲の話だもんな。


あと、オナニーの話って、親密な性的関係がない男性にエロい気持ちで聞かれても、自分にとっては食事みたいに当たり前なものだから「ハァ? こんな普通のことの何に興奮してるわけ?」ってしらけた気持ちになったりする。もっとバカバカしいのは、私に対してエッチな気持ちとか持ってないのに「礼儀として」ハァハァしてみせてくる人。別にそんなことしなくていいし、この誰もトクしない社交辞令劇場なに? という気分になったりする。


と、いろいろ変なことを書きましたけど、性的な興味のあるなしにかかわらず、飲み会で話すごとに洗練に洗練を重ねたみたいな「持ちネタ」っぽい下ネタを、落語のネタのように話す人もいたりして、何度もみんな聞いてて知ってるんだけどやっぱ笑っちゃう、みたいなのもあって、そういうのはいいなーとか思います。


エロにあまり触れる機会のない人って、エロっていうだけで笑っちゃう、みたいな感覚を持ってることがある。照れなのか「エロ=ヘンなもの」みたいな思い込みがあるのかわからないけど、幼稚園児が排泄物のネタが好きなのと同じような感じで、条件反射的にAVのタイトルだけで笑っちゃうみたいな感じがある。面白いAVのタイトルっていうのは確かにあるんだけど、そのタイトルが面白いか面白くないかじゃなくて「爆乳」とかそういう「AVっぽいワード」だけで笑っちゃうような。そういう爆笑の渦の中にいるときが、いちばん断絶を感じるかも。エロの話なんか一切許されない中にいるよりもずっと。