『THE SONGWRITERS』

NHKで始まった佐野元春の『THE SONGWRITERS』、面白いですね。ゲストは小田和正なのですが、シンプルな質問に、シンプルな答えが返ってくる。質問も答えも、誰でも言いそうなことに聞こえるんだけど、何周も何周もしてきてのこの質問で、この答えだという、強者同士のリラックスした中にも緊張感のある問答で、とても面白い。『谷川俊太郎の33の質問』を思い出した。


 佐野元春や、小田和正ぐらいの年齢で、面白く生きてる人って、いますごく興味があるかもしれない。佐野元春なんて、なんであんなかっこいいのか、謎でしょう。かっこつけて生きていったって、ああいうふうにはたぶんなれない。服装をまねしても、言動をまねしても、たぶんだめだろう。


 そして、自分が佐野元春のようにしっかりしていれば、どんなインタビューもちゃんとできるんだ、と思う。どんな大物とだって話せるんじゃないか。逆に言えば、そうでなければインタビューなんてできないのかもしれない。怖いな、と思う。「好きな言葉は?」なんて、私が聞いてもダメじゃないかなぁ。「はぁ?」って感じじゃないかな。そして『ガキの使い』に出ててもやはりかっこいい佐野元春……。まねできなさすぎる!


 そんな佐野の秘密をさぐるべく、次回も観ようと思います。


★あと、私は「歌詞」や「詩」、「短歌」、さらに言えば「キャッチコピー」というような、短い言葉の表現に憧れているところがあります。そういう意味でも、とても面白い番組だと思いました。最初に佐野元春が、ポップソングは現代の詩だ、と言ったことにも、賛成です。それだけが現代の詩だ、という意味ではないよ。それも「詩」の一種だろう、という意味で。