『二人きりのエクスタシーサミット ─ オトナのAV鑑賞会』

★『エクス・ポナイト』に来てくださったみなさん、ありがとうございました。
終わった後、会場でしばらく打ち上げが行われたのですが、終電がなくなった吉田アミつんに大谷能生さんが「雨宮さんちに泊めてもらえばいいじゃん。近いんでしょ?」と100万ドルの金言を吐いてくれたところ、アミつんが速攻で「いやです! 犯されるから」とキュートな返事をしたので死にたくなりました。犯すほど勇気ないから! きらわれるのがこわい……。ちょ、ちょっとだきしめたりチューしたりしたいだけですよ……。


★『エクス・ポナイト』終わって間もないのにもう告知です! しかも初めてのソロライブならぬ自分主催イベント……。『エクス・ポナイト』終わってからおなかいたくなりました。


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雨宮まみ presents『二人きりのエクスタシーサミット ─ オトナのAV鑑賞会』

日時:5/21(水)19:00開場/19:30開演

 「リリース本数多すぎていったい何から観たらいいかわからない」「好みにピタリと来る作品に出会えない」「女なので恥ずかしくてなかなか入手できない」……。
 AVに興味はあるけど人生の大部分をAVに費す気はない、そんな腰掛け気分の皆さんにAVライター雨宮まみがAVとの出会いをオーガナイズします!
 超メジャーで超カワイイAVアイドルから知る人ぞ知る名作、みんなに見せたいあの傑作をジャンル縦横無尽にAVJ! 
 第一回は前衛家にして音楽家、最近は文筆家としての活躍もめざましい吉田アミをゲストに迎え、AVとはどんなものなのかヘンな汗かきながら解説します。
 エッチなハプニングなどは起こらないので、女性の皆さんも安心してご来場ください
出演者:雨宮まみ(AVライター)*AVJ及び解説
    吉田アミ(前衛家)*今回のお客様
日 時:2008年5月21日(水)19:00開場 / 19:30開演
参加費:¥1,800(1ドリンク付き)



 AVJというのは、DJやVJのようなもので、ディスクでもヴィデオでもなくアダルトヴィデオを流すジョッキーなのでAVJというわけです。でもDJやVJのようにブイブイつないでフロアを沸かす技術はありませんので、見せたい場面までトバしてソコを見せながら解説するという感じでお見せしております。ちょうど一年前に『ぷりぷりTV』というイベントで一時間ほどやらせていただいたのですがけっこう枚数かけられたので、今回もバラエティに富んだ内容でお送りしたいと考えています。


 お気づきのみなさんも多いことと思いますが、最初「弟にオススメAVを教える」というのをテーマにして始めたこのサイトが、最近ではほとんどAV紹介サイトとしての機能を果たしていません。特にそうしようと思ってそうしたわけではないのですが、自分の中でAVに対する距離感が昔とはあきらかに違ってきています。


 冷めたり、嫌いになったりしたわけではなくて、なにか昔は感じていた義憤や「自分がこれをやらねば誰がやるんだ」といったような使命感(私が勝手に思い込んでいただけですが)がなくなったという感じが一番近いです。


 過去、ここでAVのことをアツく書いていた文章を好きだと言ってくださる方もいて、もちろん嬉しいのですが、過去(2006年頃までかな?)の自分の文章には、良かった部分も悪かった部分もあると思っています。


 それまで私は、AVを観るとき、取材するとき、すべてに渡って過剰な感情移入をしていました。商業的に成功しなければならないプレッシャーに晒されながら、それでも面白いもの、今まで誰も観たことのないようないやらしいものを作ろうとしている人たちに自分を重ね合わせていたし、AVに出る女のコたちや、AVの仕事を選んだ人たちに、自分と共通する部分を見つけ出しては、あたかも自分だけがその人たちのことを「わかって」いるかのように思っていた。だからAVのことを書くときに、自分のことを書くのと同じ「熱さ」を持てたのです。けれど、作品や取材する対象を自分に限りなく近づけて書くということは、単なる対象の私物化とも言えます。取材したことのある監督に、はっきりと「迷惑だ」と言われたこともあります。


 AVという、セックスを扱うものに対するとき、私は本当は適正な距離感なんてないのだと今でも思っています。ある部分では誰もが、自分のことを考えるようにAVを考えるべきだと思う。AVについて、そこから呼び起こされる欲情について、他人事にしか思えなくなったら、べつにAVのこと書かなくていいんじゃないかと思います。


 でも、うまく言えないのですがAVに自分が重ね合わせていた、どうにも解決できないつらい感情のようなもののいくつかが消化されて、今はだいぶすっきりした気持ちになっています。私はずっとAVを観るのがつらくて、つらいからずっと観ていました。AVには自分より若く美しくエロく、セックスの上手い女がいくらでも登場します。その女たちの生きている世界に自分も生きている。比べずにはいられないし、彼女たちと比べて勝てる部分なんてあると思えなかった。今でもAVを観るのに苦しい部分はあります。「こういうセックス、一生できないまま自分は死んでいくのかなぁ……」と思うことも多々あります(3Pとか乱交とかな!)。


 それとは別に、自分が女であることの苦しみもあった。こういう場所で流す作品を選んだり、今年のベスト作品のようなものを選ぶとき、私は常にプレッシャーに晒されていました。「女だからこんなの選んで、わかってねーな」と言われるのが怖かった。自分という個人でなく、「女」として見られるのは苦痛でした。


 それらの要素が、なぜか年々確実に軽くなって、はっきりと楽しむ余裕が自分の中に出てきました。ホント2年前だったら「なんで女なのにAVライターやってんですか?」と聞かれたら「なんで今こういう活動やってんですか?」と聞かれたオザケンのように「どうでもいいだろ。関係ないよ!」とキレやすい大人化しては自宅で血の涙を流していたと思いますが、今はそういうナイフみたいにとがって触る者みな傷つけるほどではありませんのでみなさん、安心して気軽に話しかけてください……。


 私はAVがいまだにサブカルチャーの文脈からはV&R的なものしか評価されていないことにも、ズリネタとしてのAVに興味のない人たちが単なる笑いの材料としてしかAVを観ていないことにも違和感があります。笑えるものもいっぱいお見せしたいですが、嘲笑するためのAVは一本も出したくない。「昔はスゴかったんだぜ〜」とかそういうんじゃなくて、AVファンは知ってるのにいつもAV観てない人にはまったく伝わっていないような、そういうものをお見せしたいです。


 当日はみなさんの興奮により場内の温度が上昇する可能性がありますので、薄着でいらしてください! 特にこういう機会でもなければなかなかAVを見れないはずかしがりやのみなさんは「ゲストが吉田アミだから……」という呪文をとなえながらご来場いただけるといいのではないかと思います。


 ゲストの吉田アミさんには、ちょっとインタビューっぽくお話をうかがおうかと思います。時間がたっぷりあるイベントなので、深い濃い話と楽しいAVを。よろしくお願いします。