水曜はエクスタシーサミット!

★病み上がりの顔がゾンビみたいだったから 5月17日はゾンビ記念日!


★風邪ひいてトクしたことは、ブルーハワイ味のトローチがあるということを知ったことです。
私ははちみつ味を買ったけど、これが死ぬほどうまい! あめ史上最強にうまい! こうなるとブルーハワイ味も食べたくなるのが人情というもの。はたしてこの一箱をなめおわってもまだのどが痛いのだろうか……。のどの痛くないみなさんもだまされたと思ってなめてみてください。


★日が近くなりましたので、ふたたび告知しておきます。水曜日はエクスタシーサミット! 渋谷で会いましょう。


雨宮まみ presents『二人きりのエクスタシーサミット ─ オトナのAV鑑賞会』

場所:渋谷UPLINK FACTORY http://www.uplink.co.jp/factory/log/002593.php
日時:5/21(水)19:00開場/19:30開演
参加費:¥1,800(1ドリンク付き)

 「リリース本数多すぎていったい何から観たらいいかわからない」「好みにピタリと来る作品に出会えない」「女なので恥ずかしくてなかなか入手できない」……。
 AVに興味はあるけど人生の大部分をAVに費す気はない、そんな腰掛け気分の皆さんにAVライター雨宮まみがAVとの出会いをオーガナイズします!
 超メジャーで超カワイイAVアイドルから知る人ぞ知る名作、みんなに見せたいあの傑作をジャンル縦横無尽にAVJ! 
 第一回は前衛家にして音楽家、最近は文筆家としての活躍もめざましい吉田アミをゲストに迎え、AVとはどんなものなのかヘンな汗かきながら解説します。
 エッチなハプニングなどは起こらないので、女性の皆さんも安心してご来場ください!

出演者:雨宮まみ(AVライター)*AVJ及び解説
    吉田アミ(前衛家)*今回のお客様


ふるってご参加ください! こわくないですよ。おひとりでいらしても「友達のいないヤツだ」「どうせ恋人もいないから淋しくてAV観に来たんだろ」とかぜったい誰も思いませんから!(ときどきそう思われるのが怖くなる自意識過剰な私)



★『NANA』19巻が出ていたので買いました。


 この巻は、完全にハチとレイラの巻ですね。レイラというのはとっても売れている人気バンドの歌姫で、実力もあればハーフで美貌もケタ違いにいい。このレイラが、ハチの夫であるタクミと急接近する。


 ハチはどんな女の子かというと、結婚する前から別にやりたいことや夢やそういう自己実現の目標みたいなものがなくて、ただ恋愛に幸せを求めてきたそういう女の子。彼女はナナの夢や恋愛をまるで自分のことのように応援する。基本的にハチは明るく楽しいキャラクターなんだけど、その姿には純粋な友情以外に「私は平凡で何か特別なことができるわけでもなければ、何かをやる努力もしたことない。恋愛もうまくいかない。タクミとの恋愛は結婚という形で成就したけれど、デキ婚だし、予想していたこととはいえタクミは浮気ばかりで家に帰って来ない。結局昔自分が夢見ていたような理想の幸せみたいなものは、手に入らなかった。でもそれは努力しなかった私が悪い。努力しているナナは絶対に幸せになって、ナナは私の理想だから。そうでなければこんな世界、なんの希望もないよ」というような感情が少しだけあるような気がする。


 何よりこの巻がキツいのは、そんな風に自分が平凡な人間だと自覚しているハチが、恋愛の局面においてレイラを意識しなければならなくなることだ。「あたしがこうしている間も タクミがあの才色兼備な歌姫の事をずっと見つめているのかと思うと また叫びたくなる」「もしもあの女(ひと)が恋敵になったら あたしはきっと何ひとつ勝てない」「タクミがたとえ何処にいようと その間すっかりあたしの事を忘れていようと 疲れたから帰りたいと思える場所を作らなければと思った それしかあたしに勝算はない」って……! ザ・本妻ズム!


 ハチだって普通の若くて可愛い女の子だ。料理や掃除やそういうことや、浮気されてもされても怒らず、本当はつらいのに我慢してニコニコ機嫌良くしていることで男の心をつなぎとめようと必死になるような、そんな形じゃなく、当たり前に自分を激しい勢いで選んでもらえるような恋愛がしたいんじゃないか。でもハチはそのことを静かにあきらめている。「普通に若くて可愛い」だけじゃ何事もどうにもならないことを知っているのだ。


 ハチは自分に自信がないし、友人や夫など成功したミュージシャン達と一緒にいて、彼らのことに必要以上に首を突っ込むことを週刊誌の記者に「タクミやナナは確かに勝ち組だけど 君はただの勘違い女だ」と言われたりもする。けれど、ハチはハチなりに「がんばって」いるし、誰かに何か責められるほど怠惰だったりダメだったりするようなことはないと思う。夢がない、やりたいことがない、何かのために死ぬほど努力するということができない、そんなの普通じゃないか。でも、レイラという死ぬほど努力して夢や目標を叶えた女、しかも女としての魅力も自分より勝っていると思える女と同じ男を争うことになれば、嫌でも自分の欠点、しかも自分でもすでに欠点だと自覚している欠点をうんざりするほど見つめなければならなくなる。


 レイラの捨て身の誘惑の描き方も、ほんと見事としか言いようがないよなぁ……。そしてヤるかヤらないか、ヤッたらダメだとかそういう問題じゃなく、この場合ヤらない方がよりいっそう心の浮気感が強くなっていったりして、もうヤってもヤらなくてもどっちにしても浮気だよ! と思ってしまう。あ〜、架空の世界の話なのに胃が痛くなりそう。


 矢沢あいは、ハチという「普通の女の子」に、いったいどんな結末を用意しているのだろうか。恋愛に幸せがなく、結婚に幸せがなく、いつまでもいつまでもつらい、自分の自信のなさや中身のなさとの戦いや、嫉妬との戦いを繰り返す生活に、どんな終わりを用意しているのか。恋愛や結婚や夢に、どういう折り合いをつければ、ごまかしや妥協ではない「幸せ」にたどりつけるのか。今後もハラハラしながら見守りたいです。