東京のみなさまへ

九州の母から「なんとかこっちに帰ってこれない?」とメールがありました。
ニュースで頻繁に続く関東の地震速報や原子力発電所の映像を見て不安になったのだと思いますが、うちの母のように不安な気持ちになっている人も多く、関東でもニュースを見ていると自分の身だけでなく、被災地のことを想像して感情が暗いほうに引きずられて不安定になっている人がたくさんいます。
私もラジオをつけたら、宇多田ヒカルの歌が流れて嗚咽してしまいました。
自分で思っている以上にはりつめている人も多いと思います。

私を含め、東京のライフラインは大部分が大丈夫です。お店も普通に営業しているし、電車も動いてる。地震以降、多くの家庭が非常食や水の用意はしているし、停電も今のところ回避されています。停電になるとしても、一日の間のほんのわずかな時間でしょう(※停電に関するサイトを貼ってましたが、常時情報が更新されているので削除しておきます)。
落ち着かないときは、手を動かしましょう。まず非常用持ち出すバッグを作って、靴や靴下も入れて、非常時のマニュアルを読んで、ごはん炊いておにぎり作って、お風呂に水をはって、非常時に備えたら家事や仕事をしましょう。できなくても、食事をして、できれば眠って、せめて水分をとりましょう。
少なくとも、あなたのことを心配している人は、あなたが元気なだけでほっとします。

悪い想像は何も生みません。
「自分は何もできない」という無力感で絶望するのはやめましょう。仕事をしている人なら、それがどこかで必ず役に立っているはず。どんな仕事でも経済を動かしています。
身のまわりに、自分より弱い人、被災地に関係があってダメージを受けている人がいたら、助けられるのは自分です。
人を本当に「助けたい」と思ったら、その人の仕事をかわってあげたり、家事をやってあげたり、病院に連れていったり、体力要るし余裕も要ります。
普通の生活が送れる環境にいる人間まで倒れてしまったら、どうしようもありません。
まずは自分の身をしっかり守って、余裕を持ちましょう。

不安が増すばかりだったら、テレビを消してラジオをつけてみましょう。
すごい選曲で、すばらしい音楽がかかっています。
音楽がなんだ、余裕のある人間の楽しみじゃないか、と思われるかもしれませんが、
楽しみや喜びを失った人間が、誰を励ますことができるでしょうか。
心で一緒に泣いて、精一杯の日常をやりましょう。
東京が「普通に機能している」ことが、のちのち大きく被災地を支えるためには重要なのです。

とてつもない被害や喪失について、本当に言葉もありませんが、不安や憂鬱に関してはわたしはわりと詳しいです。
本当に些細なこと、おいしいものを食べるとか、いい音楽を聴くとか、マンガを読むとか、ちょっとしたことで気持ちは変わります。だまされたと思って甘いものでも食べてみてください。食べ物完売のコンビニでもお菓子はいっぱい売ってます。
楽しむこと、普通に生活していることに罪悪感を感じる必要はありません。
タフでいられる人間が、タフに過ごしていれば、何かできるチャンスは必ずあります。
必要なとき、迷わず手を差し伸べられるよう、しっかり生活しましょう。それが、誰かのためになるときがくると信じて。


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http://gihyo.jp/news/nr/2011/03/1201