新作レビュー

 先週の土曜日、ハマジム主催のイベントに行ってきました。イベント詳細は当日DJもやって大活躍だったライターの松本亀吉さんのサイトにアップされていますので、興味のある方はどうぞそちらをご覧ください(ライブの模様は、ハマジムレコーズのサイトにも後日アップされるそうです)。余談ですが亀吉さんのサイトには雨宮の写真も載っています。松尾さんとツーショットです。「松尾さんと楽しそうに談笑しやがって! このクソスベタ! 雨宮死ね!」と思った方は(特に松尾ファンの女性の方は)ライターの中村淳彦さんのサイトで雨宮がケナされていますので、そちらを読んでスッキリなさってください。ま、楽しそうに談笑ったって、硬派にAVの話しかしてないけどな!

 そして日曜は、今まで読んだことのなかった日野日出志のマンガを読んで、あまりのかわいさに愕然。ずっと怖いと思って読んでなかったのに、こんなにカワイイとは……。特に「毒虫小僧」「地獄小僧」には、ほおずりして抱きしめたくなるほどカワイイ場面がいくつもあって、あきらかに欲情に近い「萌え」の感情なのだけど、これをいったいどう処理したらいいものやら(さすがに姉ちゃん、「毒虫小僧」でオナニーする気分にはなれないです。でももやもやする! ヒザの間に毒虫小僧をはさんで抱きしめてぐりぐりこすりつけたい)困りながら悶絶しています。カワイイものがものすごい残虐なことをする、というのはホラーの一つの定番ですね。しかしこんなカワイイのは今まで見たことないよ! しかもすっげえかわいそうなの。いじめられて嫌われて、家族からもじゃけんにされて、死ぬほどせつない。あぁー、せつなかわいい! かわいそかわいい! いったいこの気持ち、どこにぶつけたらいいんだ! 弟よ! おれ、また、ひとり……(地獄小僧のセリフ)。

 えー、今日から数回は最近観たAVの中から、ちょっとひっかかるものを選んでレビューしてみたいと思います。短くレビュー形式で行くんで、よろしく。

「ガチ! 静まり返る漫画喫茶で声を潜めてお忍びハメハメ!」(甲斐正明監督)

 企画モノの成り上がり、甲斐正明監督が漫画喫茶に上陸。のれんとか胸ぐらいの高さまでしかない間仕切りの陰でいつ誰に見られるかわからないスリリングなセックスを展開する。一生懸命声をガマンしつつ、早く終わらせようと必死で腰を遣う女優さんの姿には燃えるもんがあるが、最後にちょっとした「ネタバラシ」が入っていて、これがかなり興醒め。しかし特典映像で登場する店員の女の子が非常に普通っぽく(下北沢あたりにいそうな、時給800円ぐらいでバイトしてるサブカル少女みたいな雰囲気)「(女優さんのセックスが)ちょこっとだけ見えた」と恥ずかしそうに語り、監督に服脱がされながら「脱がせるの上手ですね」と照れてエヘヘって笑ったりしてて、現場で知り合った人同士がフツーにゆきずりでヤッてるみたいでイヤラシい。目がちょっと離れてて一般的な美人顔でなく、スキがあり、ジーンズにTシャツの恰好が私服っぽいのもいい。監督がホントにヤリたくてヤッてるだけの特典映像だと思うのだが、本気でヤリたがってるだけにここが一番エロかった。

「いつもシコってるアパレル店長と、イクイクできた」(篠田昌宏監督・レーベル/しのだ)

 あまりにもガクーッと来るタイトルと、ヘンな広告戦略から食わず嫌いになりかけていた新レーベル「しのだ」の作品。しかし見てみたら、もったいないほどちゃんとエロい。ほぼ監督と二人きりのホテルの部屋で、アパレル店長の女が「男って結局カラダ目当てなんですよね〜。しちゃったら結構連絡来なくなったりすること多い(笑)」と、カラダを目当てにされてもしょうがないボリュームの谷間をキャミからブイブイのぞかせつつ、微妙にイタいセックスライフや恋愛の話をする。なんとなく近づいてキスして愛撫して脱がせ、ローターやバイブで責め、少し休んで今度は女が男のカラダをベロベロ舐め始め……と、あらかじめ決められた感じのしない、仕事っぽくも撮影っぽくもない「セックス」が始まってゆく。チャプターメニューでプレイを詰め込む最近のセルの潮流からは外れた、密室の濃厚セックスを映す趣向の作品で、そこまで閉塞的ではないにせよ、少しオーロラプロジェクトの作品に近い匂いもある。バイブがちゃんと「淫具」に見え、ピンクのメコスジクッキリレオタードがちゃんと「スケベ衣装」に見え、セックスがちゃんと粘膜の擦り合いに見える良作。エロくない作品ではバイブも衣装もただ「こなさなきゃいけないメニュー」にしか見えないのに、ちゃんと女がエロ衣装(しつこいようだがメコスジクッキリの)を恥ずかしがり、バイブという道具の効果に悶絶しているから、全部が「効いて」いる。本番回数はちょっと冒険とも言えるほど少ないが、その分女が焦れて、顔面騎乗で腰をグリグリ遣いながら喘ぎまくるシーンなど全ての行為がしっかりエロく、食い足りない感じはまったくない。きっちり作りすぎず、ユル〜くその場のノリでやってるような雰囲気にドキドキさせられる。