「いつもシコってるアパレル店長と、イクイクできた」(篠田昌宏監督・レーベル/しのだ)

 あまりにもガクーッと来るタイトルと、ヘンな広告戦略から食わず嫌いになりかけていた新レーベル「しのだ」の作品。しかし見てみたら、もったいないほどちゃんとエロい。ほぼ監督と二人きりのホテルの部屋で、アパレル店長の女が「男って結局カラダ目当てなんですよね〜。しちゃったら結構連絡来なくなったりすること多い(笑)」と、カラダを目当てにされてもしょうがないボリュームの谷間をキャミからブイブイのぞかせつつ、微妙にイタいセックスライフや恋愛の話をする。なんとなく近づいてキスして愛撫して脱がせ、ローターやバイブで責め、少し休んで今度は女が男のカラダをベロベロ舐め始め……と、あらかじめ決められた感じのしない、仕事っぽくも撮影っぽくもない「セックス」が始まってゆく。チャプターメニューでプレイを詰め込む最近のセルの潮流からは外れた、密室の濃厚セックスを映す趣向の作品で、そこまで閉塞的ではないにせよ、少しオーロラプロジェクトの作品に近い匂いもある。バイブがちゃんと「淫具」に見え、ピンクのメコスジクッキリレオタードがちゃんと「スケベ衣装」に見え、セックスがちゃんと粘膜の擦り合いに見える良作。エロくない作品ではバイブも衣装もただ「こなさなきゃいけないメニュー」にしか見えないのに、ちゃんと女がエロ衣装(しつこいようだがメコスジクッキリの)を恥ずかしがり、バイブという道具の効果に悶絶しているから、全部が「効いて」いる。本番回数はちょっと冒険とも言えるほど少ないが、その分女が焦れて、顔面騎乗で腰をグリグリ遣いながら喘ぎまくるシーンなど全ての行為がしっかりエロく、食い足りない感じはまったくない。きっちり作りすぎず、ユル〜くその場のノリでやってるような雰囲気にドキドキさせられる。