『僕、専用。』(ゴーゴーズ http://www.gogos.tv/sakuhin.htm)

 秋葉原だけで異常な売れ行きを記録したという、ネコミミ&メガネのメイドが登場する人気シリーズ。でもメイドって言っても、これはただのメイドじゃないんです。花菱重工製H.P「メス型アンドロイド花菱3型」通称「M.A.I.D」なんです。内容的には可愛くて何でも言うこと聞く従順なメイドがさぁ、そのね、いろいろご奉仕してくれるというアレなんですけど、とてもそれだけとは思えないくらい設定が細かい。潮吹きひとつとっても「れ、冷却水を出さなくては!」とか言い出して、なんか「潮を吹かなきゃいけない」という状況に追い込まれたりしてて、バカバカしいと言えばバカバカしいんだけど、その「しなきゃいけないから仕方なくやってるの! べ、別に気持ちよくなりたいわけじゃないの!」という表情にやたらクラクラ来てしまうんです(冷却水にしてはなまぬるいと思うけど……)。設定は2020年なんですけど、冒頭にどういう設定かこまごま書かれたテロップ出てくるし、本数を重ねるごとにどんどん凝ってくし「どこまで作り込めば気が済むんだろう……」と思うほどなんですね。

 で、これのスペシャル版というのがときどき作られているんですが、その監督名が「押井克洋」。しかも作品の内容が、ある程度アニメの基礎知識がある人なら「これってもしかして、あれ?」という、何かを元ネタにしたシナリオになっていたりするんです。姉ちゃんがけっこうビックリしたのは『僕、専用。SP 七天使激闘編〜まごころを、君に』かなぁ……。ちょっと記憶がさだかではないんですけど、パトレイバー劇場版の2に笑っちゃうぐらいディテイルが似てるヤツがあった気がするんですが、多分これだったかな? しかも今最新作の作品紹介見たら「ゴースト」とか書いてあるよ! ちょ、ちょっと観ないうちにまたこんなことに……! 委ねちゃってる? ゴーストの囁きに? 油断もスキもないですな。

 『同人誌的にAVを作る』という発想は、もしかすると他にもあったのかもしれませんが、『僕、専用。』シリーズの素晴らしいところは、作り込んだ設定がただのつけたしではなくちゃんとエロの要素として機能していて、そして、たとえ設定に全然興味がない人が観てもちゃんとエロい気持ちを満足させられる「AVとしての顔」をきっちり持っているところです。エロくない、自己満足なだけのお遊びをやってるのでは全然ない。女優のチョイスもいいんですよ。その時々の「デキる娘」や「カワイイ娘」をしっかりすくい上げてて、しかもその女のコがすっげえかわいく見える。

 実は姉ちゃんはこの「押井克洋」さんたち(数人合同の監督名なのです)に取材をさせていただいたことがあるのですが、すごかったですね。名言連発。「僕たちは人間を使ってアニメを作ってるんです!」という次元の概念をかき乱す発言に始まり、「ネコミミとメガネは衣装じゃなくて身体の一部」「最終的には本物の「M.A.I.D」を作りたい」とキラキラした目で語る押井監督(たち)。また、現場で女優さんがネコミミをつけるのを恥ずかしがった場合は、スタッフ全員がネコミミを着用して撮影するという都市伝説も耳にしました。い、いやネコミミはつけるとかそういうんじゃなくて最初から生えてるらしいですけど。あと、押井監督(たち)は、何か例え話が入る時は「ガンダムで言うと〜」「ファイブスター(物語)で言うと〜」と、すべて二次元の世界の例えで語ってらっしゃいました。ウワサでは『僕、専用。』にも『ファイブスター物語』並みの細かい年表があるとか。

 メガネっ娘ってありがちな設定だと思う方もいらっしゃるでしょうが、実はAVでメガネっ娘を撮るのは非常にめんどくさくて難しいんです。メガネのレンズに、照明とかスタッフとかが映り込んでしまったら使えないんですね。それで現場では「メガネのレンズを抜く」という邪道な技が使われる場合もあるんですが、『僕、専用。』は必ず最後にメガネ発射があるからレンズを抜けないワケです。こんなめんどくさいことをちゃんとやってるんだ〜と感心していたら、その後さらに『ボクの新妻は巨乳で裸エプロンメガネっ娘。』というオプション付けすぎて何がなんだかわからないてんこ盛りのシリーズが登場し、めんどくさいどころか絶好調でメガネを撮る気満々なことが明らかになりました。しかもこれがまたいいの! 絶対企画倒れっていうか、タイトル負けだと思ったのに、すっげえいやらしいの。姉ちゃん、自分が貧乳だから巨乳は嫌い(ひがみ)なんですけど、もう、アレだね、貧乳なんて、なんで生きてるの? って感じだね。市民権とか、ないね。こんなにちっちゃいおっぱいしかついてないならいっそのこと生えててほしいぐらいだね(何がだ)。ま、もういいよ、どうせ新妻でもないし、三十路で独身だし、貧乳だし、視力は両目1.0あるし……。ぜ、税金払うから生きててもいいって言ってください……。

 ゴーゴーズには、他にも『人妻不倫旅行』とか『彼女のカノジョと。』(彼女の女友達とね、彼女が出掛けてるスキにね、こうちょっと、出来心とかイキオイとか禁断の果実とか、だったらついでに三人で……みたいなヤツです。姉ちゃんは01の江口美貴&ひかりがお気に入りです)とか、いろいろ名作があります。気になる方はどうぞ。っていうか今トップページの予告観てたらもうなんかたまらん感じになってきました。『彼女のカノジョと。』の新作、見てぇ〜! まぁ実際にされたら号泣必至のシチュエーションなんですけど、それが修羅場にならず幸せにヤラシく展開していくっていうのを見ると、あまりに楽しそうで嫉妬心を克服できるような錯覚に陥るんですよね。はぁぁ……同性が参加する3Pって、なんでイヤなんでしょうねぇ……。嫌なの姉ちゃんだけなのか?