「哀しみのベラドンナ」

★ま、負けちゃったね……。バルセロナロナウジーニョのかつやくが見れず不完全燃焼なので、ロナウジーニョのDVDを買いに行こうと思います。
 っていうかよく考えたらロナウジーニョって弟と同じトシなんですね。かたやクラブ世界一になるかどうか、フリーキックを決める決めないで文句言われたりしてんのに、弟、こないだケータイ止められてました。同じトシでも「Number」の表紙になってる奴と、電話すらつながらない奴とでエラい差です。そしてやっと電話かかってきたと思ったら「姉ちゃん、今年のソフト・オン・デマンド大賞って誰やったと?」って! 用件それかい(ちなみに範田紗々さんでした)。


虫プロのおとな向けアニメ映画「哀しみのベラドンナ」観てきました(ポレポレ東中野にて上映中→http://www.mmjp.or.jp/pole2/)。

 私は手塚治虫という人がけっこう好きで、これは虫プロのあんまり陽のあたらない部分っぽい作品だったので、この機会に観ようと軽い気持ちで出かけたのですが、これが予想以上のエロさで仰天しました。

 まず、絵・ストーリーともに手塚色はまったくナシ(監督は手塚ではない)。絵柄は宇野亜喜良のような西洋風美人画で、ものすごい洗練されてる。一枚絵として完成しているものが、アニメになって動いてるような感じで、実際静止ショット(動きのないまま遠近感だけ変わったりする)も多いし、なにぶん昔の作品なので技術的には相当劣っているはずなんだけど絵が魅力的すぎて夢中で観れる。手塚好きの人ではなく、ミュシャとかクリムトに始まり、宇野亜喜良からマリアンヌ・フェイスフル(この人だけ実物だな。なんかもっといい例えがあると思うんだけど知識がないからいい例を出せません)とかまで来るような、アンニュイで曲線美で、本人は意識してないのにどうしようもなく色っぽい罪つくりな女が好きな人にはたまらない映画。なような気がします。

 内容もウワサには聞いていたけどエロかった。結婚式のシーンから始まるんだけども、結婚直後いきなり領主のヒヒジジイにレイプ! 周りの男たちにマワされ、ツツーッと処女喪失の血を滴らせる……ってとこまで10分も経ってないんじゃ……。その後もことあるごとにセックス・セックス・セックス! 一番スゴイのは手のひらサイズのちんこの妖精みたいな男があらわれて、服の中にもぐりこんで乳首にしがみつき(そして乳首が勃起するところまでしっかりアニメーションで……「私こんなもの描くために虫プロに入ったんじゃありません!」って事務所のすみっこで田舎から出てきた女の子が泣いてそう)、さらにどっかにもぐりこんで「あら、どこに行っちゃったの? あぁっ! だめぇ……あっ、あっ、あああ〜!」みたいなことに。完全に手コキを思わせる場面があり、それで妖精が赤く大きくふくらんだりします。っていうか、正確に言うと頭の部分がアレの形を隠す気もないほどハッキリ模していて、だんだん大きくなり、成人男性ぐらいのサイズになって「この私の突き棒の下で、まだ逆らうというのか!」と女主人公にのしかかったり……。つ、突き棒……。姉ちゃんもう画面が見れません! だってアレみたいな人がアレをアレして、もう何が何だかわからない……。最後にはかなり巨大化して、もう見てるだけでどうにかなっちゃいそうな感じです。

 しかもこの女主人公・ジャンヌはカラダつきもエロけりゃ、顔もメーテルまつげにマスカラを五度塗りしたようなまつげ、めくれあがって常に半開きのスキだらけの唇というエロ顔。中身ももちろんエロくて、嫌がってるのに性感が発達しすぎてどう考えても感じてるとしか思えない声を上げてしまったりするわけです。いくら口ではイヤと言っていても、カラダはイイと言ってるぜ的な上と下の口でのYES/NO問答が繰り広げられ、その度に「いやっ、いやっ、私の魂はあの人のもの。この卑しいカラダはあなたのものになったとしても……ああっ、あっ、あああ〜!(たぶん絶頂)」みたいなことになっちゃって、もう大変。犯されること石井隆並みです。

 話としては、意外にも「Deep Love〜アユの物語」みたいな感じ?(好きな男のために献身しているだけなのにどんどん不幸になってゆく) あれと「修羅雪姫」の間……みたいな感じかな(どんな感じだ)。権力をカサに着た手ごめはエロいというのと、変幻自在の全身ペニ男によるセックスシーン(だんなが寝てる横とかでネチネチ責めてくる)がエロいということと、まぁ全編通してとにかくジャンヌという女が天然でエロすぎるというのが注目すべき点だと思います。微妙な関係の知り合いと行くと気まずさゆえにマジメなアニメ論に花が咲いてしまうこと間違いナシ。気のおけない相手のいる方は、平日の昼間とか人の少ない時間帯に行ってその、なんかこう、いい具合に鑑賞なさるといいんじゃないでしょうか(こんなこと書いてると劇場の人に悪いのであんまり派手にやらないでください。と、とりあえず入れちゃダメですよ)。

 ちなみに「千夜一夜物語」も観たんですけど、これは絵柄も話も「ベラドンナ」とはほとんど共通点のない作品でした。今観ると笑える部分っていうか、ツッコミどころもあるし、逆にかっこよく感じる部分もあるけど、資料的に観る気持ちがなければちょっと忍耐力が要るかも。

 ムード歌謡とか「修羅雪姫のテーマ」みたいな音楽がお好きな方には主題歌もオススメです。「ベラドンナ!(呼びかけ)ハァ〜(吐息) ベラドンナ!(呼びかけ)アァ〜(吐息)」で始まるけだるく濡れた主題歌……。そして内容はセックスだらけ。最近のAVよりカラミ多い(乱交アリ。しかも野外)。昔はこれを普通にロードショー公開とかしてたのかなぁ。うっかりデートとかで観ちゃったらあやまちが起こりまくりそうです。


★それを観て帰る途中、大学生ぐらいの男の子三人組が「おめークリスマスどーすんの?」「オレ? オレ超ロンリーだよマジで。今年はもうしょうがないべ。マジ一人だよ」「オレ一応保母ブッキングした。イブに」「マジで! 保母アチーよな、保母。どんなコ?」「いや、顔がそんなにカワイイってワケでもないんだけど、なんか雰囲気的にカワイイって感じ」って会話を繰り広げてて、この「雰囲気的にカワイイって感じ」にちょっと恋の始まりっぽいニオイがしてほほえましかったです。セッティングとか言うのも照れゆえなのかな〜。このこの! 

 ちなみにこんなところで発表するのも何ですが、姉ちゃん、もし一人で過ごすことになったらイブはマンガ喫茶で「NANA」を一気読みする計画をひそかに立てています。ねぇナナ、あたし達の出会いを覚えてる? あたしは運命とかかなり信じちゃうタチだから、これはやっぱり運命だと思う。笑ってもいいよ。ってもうモノローグがそらで書けるほど読みこんでるよ冒頭だけ(総集編みたいなやつを買ったので、一巻から四巻? ぐらいまでしか入ってない。よってそこまでしか読んでない)。
 そこまでを読んで思ったのは、私もわざと脱げそうなミュール履いてそれを階段におっことして終電逃して「どうして終電ギリギリだってわかってんのにそんな靴はいてくんだよ!」みたいなこと言われて、
「わざと
だよ……?」
(ふきだしの中ではこんな風に改行されてた)
って言えるようなかわいさの厚塗り(塗りすぎてヒビ割れて素がバレそうなくらい)ができる人間だったら決して「NANA」をイッキ読みするようなイブとかは迎えないハズだということです。