★えーと、『kamipro』の携帯有料サイト『kamipro Hand』内のマッスル坂井さんのコラムにて、雨宮のことがホメられているそうです(賞賛の言葉「童貞っぽい」)。ありがとうございます。私はプロレスや格闘技にうとく、「日刊真琴コール」に書いてあることしか知らないんですが(かたよった知識)、坂井さんのファンの方からのタレコミメールで知ることができました。木曜更新で、先週木曜の更新分だったのですが(次回のが更新されてもバックナンバーが読めます)自分のことより坂井さんのガーリーカルチャーに関する言及が面白くてしょうがありませんでした。

 私は何を隠そうヒロミックスと同じ年で、彼女のファースト写真集は持っているし、椎名林檎も好きだし、蜷川美佳はそんな好きじゃないけどなんと写真がプリントされたキャミを去年まで着ていたし、安野モヨコは好きなんですけど、『マリー・アントワネット』は心のいがいがを越えてなんとか観て何なら絶賛できるんですが、『さくらん』に至っては近親憎悪が強すぎて観に行くことすらできない有様です。ガーリーなものにかなり足突っ込んでる部分があるくせに、「ガーリーです!」と看板立ててあるものには拒否反応。好きなエッセンスはかなりあるのに出されると皿をひっくりかえしたくなる! 私にとってガーリーとはそういうものです。

 ガーリーについては、ひっかかるところがあるのでよーく考えると何か出てきそうな気がするのですが、やっぱ、セックスについての部分が気になってる気がするな……。ガーリーの世界には「つらいセックスで傷つく私」と「恋愛の一部としてのセックスで幸せ」と「セックスなんて馬鹿にしている」という態度しかないような気がする。そこになんかごまかしがあるような……。『マリー・アントワネット』が素晴らしかったのは、自己陶酔がなかったからなんですが、ガーリーなものの中で特に苦手なものはとにかく「自己陶酔」が入ってるものですね。「陶酔できてうらやましい」という気持ちもあるから複雑なんですけど。この拒否反応はいったい何なのか自分でも気になるなー。「女子」って言葉でさえちょっとイラッと来ますからね。


★そして森下裕美の『大阪ハムレット』(マンガです。双葉社)がもう泣きすぎる! 三回読んで三回とも泣いた……。この作品は今年の文化庁メディア芸術祭で優秀賞を穫っているのですが(http://plaza.bunka.go.jp/festival/sakuhin/sakuhin/manga03.html)受賞コメント「皆さまからは過大な評価をいただき大変うれしく思っております」って、過大じゃない! あんたのマンガがすごすぎるんじゃい! と嬉しギレしてしまうほどすばらしい作品です。いい素材の、アクをていねいにすくって、でも旨味は全部残して、カンどころの効いた分量の調味料を入れて作ったような、本当の、本当のプロの仕事だと思う。

 今なら賞の効果で書店で平積みになっていて見つけやすいです。今ちらっと四回目読んだけどまた涙が……。泣きすぎて目がかわく。

 ちなみに『大阪ハムレット』の中で、主人公が学校の劇でシンデレラの役をするお話があるのですが、私の弟は中学生の時に変身前のシンデレラ(舞台上で気合いの入ったお姉さんたち(これも全員男。男子校ではないです)にボコボコにされる)に抜擢され「姉ちゃん……それはいいけど、俺の好きなコ変身後のシンデレラなんよ……。俺、ピエロやん……」と打ちひしがれていたことを思い出しました。変身後のシンデレラにはウチからウエディングドレスを貸し出しましたが(古着屋から5千円で買ったやつ。「なんか知らんけど、着てみたいやん!」という理由でおばあちゃんが買ってきて、細かったので自分は着ずに私に着せたりしていた)、弟の恋は実らず終わったようでした。弟はその後「○○○チェリーズ(○には住んでいた地名が入る)」というサッカーチームを地元で結成し、「チェリーズの意味は、姉ちゃん武士の情けで聞かんどって」と言い残してサッカーの練習に明け暮れていました。最近はもうチェリーズじゃないみたいです。


 あと、そんな名作マンガを読むかたわら、『女の子は特別教』(タカハシマコ一迅社)も読んでます。セミエロマンガという感じです(ロリです)。「あたしかわいいって言われるのキライよ それって人間扱いされてないもの」というセリフは、もう、これに勝るセリフはないですね。こういうセリフが『さくらん』にもあれば、観に行けたかもしれない……。このセリフからもわかるように「エロマンガでそりゃ言っちゃいけないだろというラインを微妙にふんづけていることが作品の魅力になっている」作品でもあります。

 見た目をほめられることが大好きで、そういうふうに装ったりすることも楽しいのに、ほめられても時々怒りや悲しみに近い何かを感じることがあるのはなぜだろう、という問いに、極めて明確な答えが出てきた感じで、すっきりした一冊でした。