ポニョ終映後の女子トイレにて

★『崖の上のポニョ』深夜の回の上映後の女子トイレにて、ギャル二人の会話。
ギャルA「あいつ何だっけ? 藤本? 名前ウケんだけど」
ギャルB「ウケる〜。でもさ、何かちがくない? 従来のジブリ路線とさ〜。いつもは何か深いテーマがあんじゃん。自然とか。今回はあれだよね、珍しく愛に行ったよね」
ギャルA「行ったね。でも、アタシは好きだよ」
ギャルB「でも前のジブリが好きな人は拒否反応とか示しそうじゃね?」
ギャルA「かもね〜」


 ……なんかすごいメジャー感! ギャルに語られて、しかもだいたいあってるような……。私の感想は、狂った(しかもフェティッシュな、宮崎駿がずーっと昔から大好きな、水中に沈んだ都市とかの、水と光とぐにゃっとデフォルメされる描線の)イメージの洪水で始まり、そのイメージの洪水が一ミリもテンション下がらないまま延々続いて「ポーニョポーニョポニョさかなの子〜」でいきなり陽気に終わるというすさまじいもので、ディズニーの『ふしぎの国のアリス』(映画)『イッツ・ア・スモールワールド』(アトラクション)に通じるものがある、意味やテーマなんかクソ食らえとばかりに圧倒的なイメージが大波のようにそれらを押し流していく、そういう感じでした。物語のカタルシスにより圧倒的な支持を受けた監督が、「すでに作ってしまったもの」としてわかりやすい意味の物語やカタルシスに飽きて、イメージのカタルシスと、ある種の絵本のような、意味がいろいろな意味で読み取れる気がするんだけど、何が答えなのかわかるようなわからないような物語で映画を作っていて、私はギャルAの「でも、アタシは好きだよ」に一票! という感じでした。マジで強烈すぎる! 宇川直宏のVJよりヤバい映像がブッ続けで二時間(ぐらいありましたっけ?)ですよ。しかもアナログ。


 そしてポニョは吉田アミつんに似てる……。かわいいものは全部吉田アミに似てる! 「ポニョ、あまみや、好き!」ってハウリングヴォイスで言われてえええ!