清原引退/サタミシュウ=石田衣良説

mamiamamiya2008-10-03

★清原引退、しかと見届けてきました(結局スポーツバーに行った)。久しぶりに文句なくカッコいい、いいものを見たなという充実感でいっぱいになった。試合中はずっといい笑顔で楽しそうにプレイしていたのに、最後ぼろぼろと悔しさや無念さ、でも俺は引退するんだという決意が見えてきて、うっと来た。王監督の言葉もすごすぎた。世代や境遇が違っても相手を対等に見ていることが伝わってくるいいコメントで、そういう心ばえの良さがなければ絶対に出てこない言葉だと思いました。あんなことは、誰にも、自分は絶対に言えない。


 結局、人って何をしてても、どんなに行動や言葉で繕おうとしても、何を考えていてどんな人なのかはなんとなくバレちゃうんだと思います。怖いことだけど、そうなんだ。人が怒る悪口を言うには「王様は裸だ!」って、その人が隠したがっているのにバレている部分をつつけばいいんだよ。言われて「痛い」と感じる悪口は、自分の本質の中で、見られたくないのに人にバレてるイヤな部分を突かれたからであって、それ以上でも以下でもない。そういう全部がバレた上でこんなに好かれて支持されるのが、スターなんだよな。私はスターと呼ばれるような人はたいてい好きだけど、それは、そういう意味でとにかく全部バレてるのに魅力的なのがスターだからです。


 テーマソングのある人生、いいですね。


★一転して俗な話題で申し訳ないですが『anan』のSM特集読んでて思ったんだけど、サタミシュウって石田衣良だろ!(これって周知の事実なのかな? もうとっくに話題になってたらごめんなさい)そうだよね? 濡れ場のセンスというか、ツボが似すぎだと思うんだけど……。女性心理がまったくもって男の都合のいいとこしか書かれてないところはナベジュンから受け継がれる遺伝子なのかな〜。いいセックスをしてもらえれば、女はそれで満足して「他には何もいらないわ、私、あなたに抱いてもらえるだけで幸せ。だってあなたが女の悦びを教えてくれたんですもの」モードになるという。ananの小説も「SMでキレイになってご主人様にプレイしてもらえて幸せ?」って、そうだね、そんな感じでいられたら幸せだけどね……。でもホントはもっとドロドロいろいろあるじゃん! と言いたくなるような人間だからこそ、気楽でキレイで楽しいSMが見たくて『anan』のSM特集とか買っちゃって、福山雅治のドS発言にひざまづきたくなったりするのだろうな……。福山×箭内対談、面白かったです。


 でもイヤなのは、ここまで「濡れ場の描写がベタすぎ」「SMがヌルすぎ(村上龍先生にあやまれ!)」「女が男に都合よすぎ」とこきおろしながらも、私がサタミシュウのSMにちょっと萌えてしまうところです。あんなものにときめくなんて! バカ! 私のバカ! と思うんだけど、明日10時に伊勢丹の下着売り場にかけ込んでサタミシュウの言いなりになって真っ赤なシースルー下着とかをお買い求めしてしまいそうでこわい! そしてサタミシュウ石田衣良だったら、あのなまあたたかい目線でその一部始終を見守られてそうでこわい! 「きれいな下着をつけて、綺麗になるんだよ」的に……。そのへん、女心を微妙にキャッチしてるところがまたニクいんですよね。「SMでキレイになる」は「セックスでキレイになる」より、私にとっては殺傷力の高いフレーズです。


 男のファンタジーに、女は共鳴してしまうところがあるんでしょうね。特に欲望の主体になることに慣れていない女ほど、男のファンタジーに共鳴し、それを演じて相手を欲情させることが、自分の満足や女としての自信につながってゆくという。それは甘い甘い悪夢のような時間ですが、自信の基準を他人の判断にゆだねてしまうのは、危険だよ。とっても。危険だから甘くて、しかも中毒性があるんでしょうけど。