NHKのビスカヤ橋

★エリカ様が新婚旅行行くとき持ってた薔薇柄のヴィトンの新作シリーズが、久しぶりに気になって気になってショップまで見に行きました。ふだんはそれほどヴィトンが欲しい! とは思わないのですが、たまに押さえつけていたブランド欲が一気に噴き出すのか、ちょい悪趣味ギリギリぐらいのシリーズが出たときに「欲しい!」と爆発しそうになるんですよね。どうせはやってみんな持つようになって街中でかぶってイヤになっちゃうであろうことは想像つくんだけど、欲しいんだよなー。アクリルのバングルもかわいかったです。ちょっとオモチャみたいな感じのブランドものが好きですね。あまり上等すぎる雰囲気のは、私にはすこし難しいです。


 と、栗原さんがせっかく私の広島バッグをほめてくれたのにまるで台無しなことを書いてしまいました。ごめんなさい栗原さん。よい革バッグをご紹介してさしあげたいのですが、私のネットショッピングブックマーク(革編)は全部女物です……。
http://d.hatena.ne.jp/ykurihara/20090115


NHKの『世界ふれあい街歩き』が好きなのだけど、探検ロマン世界遺産『ある日 大きな橋で〜スペイン・ビスカヤ橋』もよかった。番組紹介より↓

「スペイン北部バスク地方の中心都市ビルバオ。ここに世界でも珍しい一本の橋がある。人は橋を渡るのではなく、高さ45メートルの橋げたからワイヤロープでつられたゴンドラに乗って移動する。この「運搬橋」とよばれる形式を世界で初めて実現したのが、ビスカヤ橋だった。産業革命期の技術を示すモダンな鉄製建築として注目され、以来、生活の足として活躍する。この橋を、地元の人々はみな深く愛し、大切に使い続けている」


 この橋の映像は前にもたぶんNHKで観たことがあったんだけど、橋を渡る人たちにインタビューしている映像がよかった。「娘の家に食事に行くの」というご婦人や「コーヒーを飲みに行くの」と言う老夫婦、仕事を終えた家政婦さんの一団に「明日は土曜日ですが、楽しみですか?」という質問をすると「それは楽しみよ! 早起きしなくていいしね!」と笑っていたりして、いいかんじ。


 一時間の中に、バスクで暮らす人たちの様子を少しずつ描いたドキュメントなんだけど、こういうさらっとしたドキュメントがNHKはほんとに上手い。密度が高くて、かなりの分量のエピソードが詰め込まれているのに、見ていて疲れない。バスク地方の人々の心模様や、あたたかいエピソードを描きながら、途中ゴンドラのエンジントラブルがあったりして、緊急事態のハラハラドキドキまである。さらにゴンドラの補修工事の日は、ゴンドラが止まって地上45メートルの橋(遊歩道になっている)をみんな渡っていくという映像があったりして、高所恐怖症の私はまたハラハラドキドキ……。でも夜の川の上を歩いてゆく人たちの風景はなかなか素敵で、こわいけど渡ってみたい気持ちになりました。


 「ある日」ということで、一日中朝から夜中、明け方まですべての時間帯の橋の周りの様子を撮影してあるのだけど、宝くじを買うのが大好きな家政婦さんの姿や、朝市に野菜を出しにくる人の映像もあったりして、いいな〜と思ってしまった。


 その朝市に店を出しているミラグロスさんというおばあさんのコメントがふるっている。「見慣れているからねぇ、毎日見ているとありがたみがなくなるんだよ。世界遺産に指定されたって言ってもねぇ。でも、あらためて見ると、いい橋だよ。美しい橋だよ」


 『世界ふれあい街歩き』を見ていても、いつも「いいな〜」と思ってしまうのだけど、たとえばうちの近所には豆腐売りがいまだに歩いて売りに来ているし、近所にのんびりできる喫茶店もある。ああいう暮らしを、しようと思えば自分もできるはずなんだ。自分も、おいしいものを買って、おいしいコーヒー飲みたいときにそこに行けばいいんだけど、そういう簡単なことを忘れそうになってしまうし、忘れていることのほうが多いかもしれない。だから、遠くの人たちのいきいきした暮らしを見て「いいな〜」と思ってしまうのだろう。


 東京は、雨降りの日には、都庁や東京タワーの先端が霧で隠れて見えなくなる。そういう日にパークハイアットのラウンジに登ると、全面ガラス張りのカフェからは、なにも見えない。窓の外は真っ白で、地上の風景は消えてしまう。都庁でもそうかもしれない。もしかしたら六本木ヒルズの展望台でも。