「カッコ悪い」と「みっともない」

★「かっこ悪い」ことを描いたものは、一瞬人をどきっとさせるし、見たくないものを見せられた気にさせるし、なんかはっとしたような気分も味あわせてくれるけど、深く刺さってくることはない。ただ「考えさせられる」というレベルで、分析や論じることを楽しみたい人のかっこうのエサにされるだけで終わる。「みっともない」ことを描いたものは、深く刺さる。それは「かっこ悪い」が対外的なもの、単なる表層に過ぎないことであるのに対して、「みっともない」はもっと本質的で、人に対して恥ずかしいとかそういうことじゃない、何かをむき出しにする行為だからだと思う。


 「かっこ悪い」ことを描いて、なにかをさらけだしたような気分になってる表現がいちばんかっこ悪いと思う。それなら徹底的にカッコつけたもののほうが、よっぽど高級で、プロフェッショナルなんじゃないか。