女と男

佐伯チズさんの連載が始まりましてね、これが気になるんですよねー。
http://www.1101.com/chizu/index.html


 チズさんの美肌本は私もすでに読んでおりますし、とりいれている美容法もあります。けど今回はそこんとこじゃなくて、男と女の話になっていて、どう進んでいくのか楽しみなんです。


 私は洋服やら何やら、そういうチャラチャラしたものが大好きなのですが、そういうチャラチャラを必死で追っかけていくと、どこかの時点で「男の視線」を忘れることがあるんですよ。


 なんて言うのかな、女友達や女同士の間では「それカワイイ〜」「おしゃれだね!」って言われるんだけど、男から見たら「色気ねー!」「何その変な服」みたいな。メイクとかもあんま暴走するとそういう感じになりそう……。


 でもね、逆に「男の人に喜んでもらおう」とばかり思って、男ウケしそうな服を必死で探したり選んだりしていると、それはそれで「自分を見失ってる」みたいな状態になってしまったりするんですよ。コスプレになっちゃう。「普通の女」をあまりやったことがないから、それはそれで楽しいけど、コスプレって毎日するものじゃないし、ずっとしていると息苦しいものなんですね。


 私自身は、やはりブリテリちゃんの「男の視線なんか知るか! やりたいようにやるんだよ!」という、強烈に爽快なギャル革命を経験している世代(直接経験してる世代よりは全然上。「リアルタイムで見た」っていうのが正しい表現かな)なので、「男がどう思うかなんて知らない。私は私の世界の洋服を着る」っていう姿勢も美しいと思うし、実際その人の内面がそのまま出ているようなファッションが一番色っぽかったり、魅力的だったりする女性もいると思う。


 安野モヨコ先生の『美人画報』の中で、VOCEのアンケートで「メイクをほめられると嬉しいのはどっち?」みたいなアンケートへの回答で「女性にほめられたほうが嬉しい」という答えの方が多かったことに対して「なんで!?」と安野先生が疑問を呈するところがあって、それを読んで以来、そういうことが私はなんか気になるんですよね。


 同性にほめられるのが嬉しいっていう気持ちもわかるし、自分の中にも確かにあるんですよ、そういう気持ち。でも、でも男の人にもほめられたい……(悲痛な心の叫び)。


 ほんとは「どう見られたいか」で服を選ぶのはまだ二流で、「自分はこうだ」という服を選ぶのが一流っていう気がしているのですが、どうなんでしょうね。「どう見られたいか」は「理想の自分の姿」でもあるわけだから、そこから始まって、いつの間にか「理想の自分の雰囲気」がぴたりと身に付いて、自分のものになっていく、というのがいちばんいいのかな、とも思います。佐伯チズさんは、オードリー・ヘップバーン小森のおばちゃま宇野千代さんが理想だったとおっしゃっていますね。私はそういうのが、決められないな。無造作な服装でも色っぽい雰囲気の人も好きだし、黒柳徹子のバリバリモード全開の服装も好きだし、あのお店のあの店長さんも……って、けっこういろんな、全然雰囲気の違う人がそれぞれ好きで、お手本にする基準が決まらない。


 「好きな雰囲気」がいろいろあって、毎日のように違う雰囲気を身にまとうのも、洋服の楽しみですけどね。私はチャラチャラしたまま、好きな服をとっかえひっかえしながら、年をとりたいのかもしれません。