『ポリネシアン・セックス』吉沢明歩

★ベスト新書から出ている穂花さんの『小悪魔セックス』のヒット以来、AV女優のセックス新書が次々と発売されているので、片っ端から読んでみようとまずは吉沢明歩さんの『ポリネシアン・セックス』を手に取ったのですが、これが、予想以上にものすごい良くて、マジで感動しています。


 ポリネシアン・セックス自体は何年か前に一度ブームになった(確か五木寛之経由で)ものなのですが、吉沢明歩さんはそのブームのときに、ポリネシアン・セックスが紹介されている女性誌を買って、おつきあいしている彼とそれを試してみたそうです。


 もちろん、本当のポリネシアン・セックスは何日もかけて行うものなので、吉沢さんが行ったものはそれの簡易バージョンみたいなもので、ご本人もはっきりとそう書かれています。でも、その「最初は裸になって横たわり、お互いに触れずに30分過ごす」間に、どんなことが起こったのか、そしてそのあとどんな風に感じたのか、ということが、とても正直に書かれていて、ドキドキしながらも「こういうセックス、してみたい!」と思わずにはいられません。


 前半はそういった、吉沢さん自身のポリネシアン・セックス体験が書いてあり、後半は男性に向けて、女性側からのセックスの指南のような内容になっていくのですが、それも「女性はこうなんだ!」という上から目線ではなく「私はこう感じるし、こうされると恥ずかしい。こういうのは嬉しい」と、吉沢さんの視点で書かれていて、水を飲むように抵抗なくすいすいと読み進められます。きわどい箇所になると、ちょっと恥ずかしそうに書いてあったり、わざと真面目そうに書いて恥ずかしさをふりきろうとしている感じも良いです。


 そして、何より一番いいのは、吉沢さんがセックスを「楽しむもの」「ぬくもりや愛情や快感を味わうもの」としてとらえているところです。イカせたとかこんなに感じさせてやったとかの勝ち負けじゃなくて、お互いが楽しめたらいいね、ってかわいい気持ちの性欲を持っているのがわかるところです。


 ちなみにこの本の中には、「究極の一言ー『かわいいね』」という章があり「『きれいだね』とか『いい女だなあ』と言われるのもうれしいけど、『かわいいね』にはかないません」と書いてあり、恥ずかしながら三十路の俺も真っ赤になりながら同意です。


 他にも、中にはふんだんに吉沢さん自身の経験にもとづく言葉があふれており、自分の趣味とは違う部分があっても(私はちょっと趣味がおかしいから……)楽しく、納得しながら読めます。ただのポリネシアン・セックスの本だと思ったら大間違いですよ! 明歩流ポリネシアン・セックスなんですよ!


 と、興奮しすぎて何を言ってるのかよくわかりませんが、言いたいことはこの本が予想以上にすごくいいということです。実践にももちろん役立つハウツーが満載ですので、そういう目的で購入されるのも良し(そういうための本なんですけど)ですが、吉沢明歩さんのかわいいところ、かわいいセックス語りが読めるという点では、セックスハウツーに興味のない人が読んでも、とっても楽しめると思います。


 引き続き麻美ゆまちんのも北島玲師匠のも読むぞー。

ポリネシアン・セックス (ベスト新書)

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