『モテキ』

★読みました。これ読んで「女に生まれただけでヤる相手には困らんだろ! だから女にモテない男の気持ちはわからない!」なんて言う男の人は反省するといいと思うよ。女もいろいろあんだよ。そしてそういうことはわかちあえるんだよ。


 ……私も居酒屋のトイレとかクラブのトイレとかでセックスするような青春送りたかったです。ゴールデンウィークなのにそんなことをぼんやり考える春の宵。今年もそんなことはありそうにありません……。ちくしょートイレにコンドームの自販機置いてるよーなクラブつぶれちまえ〜(うそですagehaつぶれないでください)。


 でも、このマンガは、性根が明るい感じがして、読むのがつらくなかった。性格のいいマンガだと思う。「わ、わかる……」っていう気マズさや、しょせん当て馬かよーとか、いろいろ思い出して死にたくなるような場面がいっぱいあるのに、そんなにイヤな気持ちにならないんだよね。


 男の人が思い出して死ぬほど恥ずかしー! って思うことの中には、相手の女の人にとって「かわいいな〜」という思い出になってることもあるし、女の人が思い出して死ぬほど恥ずかしー! ってことの中には、男の人にとって「あれかわいかったなぁ」っていう思い出になってることもあるんじゃないかな〜という気もしてきました。なんの思い入れもない相手だと、単にお互いイヤな思い出かもしんないけど、そういう「かわいげ」がこの作品にはあって、そこが好きです。


 たぶんだけど、恋愛やセックス至上主義は違うんじゃない? と思いつつも、恋愛やセックスなんかどうでもいいって思ってない感じがするからかな。恋愛やセックスをバカにしたり、それをことさらひどいもののように描いたりするんじゃなくて、ときめく部分も描いてるし、イヤな部分も両方描いてある。


 とかじゃなくて、単に自意識とかの部分を越えて、このマンガ家さんがマンガ家としてプロフェッショナルに面白いから読みやすいってことだと思います。いいね!