「ブス会*」始動

 AV監督ペヤングマキさん、またの名をポツドール女シリーズの脚本・演出を手がけている溝口真希子さんが「ブス会*」という新ユニットを発足し、7月29日〜8月10日の間、リトルモア地下の会場にて『女の罪』を上演するそうです。


詳細はこちら→http://busukai.com/


 私は演劇に詳しくないどころか、なんでおまえがこんなことをおすすめしているんだと思われてもしかたないくらい演劇を知らないんですが、ポツドール女シリーズの『女のみち』『女の果て』は、私の中では「演劇」とか、そういうものではなかったです。限りなく自分自身のことに近く、AVの世界で起こることや自分が女であること、恋愛やセックスをしていること、そういうものに飢えてること、女同士の勝ち負けや小競り合いなんかの全部爆破したくなるようないやでいやでしょうがないこと、でも全部まとめて愛して認めて開き直りたくなるようなことの、すべてが描かれていました。


 「女」を描く表現の中で、私にとってもっともリアリティがあるのは、溝口さんの舞台です。いや、リアリティなんていうものじゃないかもしれない。自分しか知らないと思っていた汚い感情や傷や憎しみや、それでも持っていた愛情や、そういうシリアスないろんな気持ちがはたから見たらものすごくバカみたいだったり間違っていたり、スジがぜんぜん通ってなかったりする間抜けさも含めて、それらが徹底的に暴かれていくのが最高に気持ちいい。


 私はいつもひとの才能にうちのめされるし、嫉妬するし、自分のだめさがほとほといやになって自信をなくすことも多い。溝口さんは、私とおなじ歳で、おなじ九州出身で、おなじくAV関係の仕事をしたりしていて共通点が多く、そんな溝口さんがこんなにすごい仕事をしていることには、うちのめされてしかるべきなんだけども、溝口さんに関して、私はねたましいとか自分とくらべてどうだとか、そういう気持ちを持つことがない。ただすごいと思って、こんなことを言うのはなんだけど、ちょっと誇らしい気持ちになる。好きなんだね、溝口さんが。溝口さんのことは、全面的に肯定できる。


 きっとすごく面白いと思うので、ブス会という名前のインパクトに負けた人はおとなしくチケットを買うといいですよ。