ワープエンタテインメント その1


 弟よ! 記念すべき第一回は、おまえも「気になる」と言っていたワープエンタテインメントについて書こうと思います。おまえはメーカーのこととかはよく知らないみたいだけど、自分の好きなAVを探すのに、各メーカーがどんなメーカーか知ることはたいへん重要なポイントの一つです。遠回りのように思えるかもしれませんが、メーカー、監督、女優、男優、シリーズ、レーベルなど各種の要素について、ある程度わかってくれば「これが良さそう」「これは自分はダメそう」といった目星がおのずとつくようになってきます。というか、それさえわかればAVの選び方はほとんどわかったも同然。それが基礎であり、すべてです。

 さぁ、ワープについて書けるというだけで、姉ちゃんの心は喜びに震えています。なぜかというと、ワープというメーカーは、AV界の良心みたいなメーカーだからです。ワープのようなメーカーがあるから、どんなにハズレのAVに当たっても私はAVの世界を愛することができる、と言っても過言ではない。ワープの作品を見て「裏切られた」と感じたことは、姉ちゃんは一度もありません。これは本当に、すごいことです。もちろん「歴史に残るものすごい傑作」から「そこまでじゃないけど、なかなか良かった」作品まで、程度の差はありますが、「そこそこ良かったかな」という作品の中にも、どこか愛すべき点や新鮮に感じる点、工夫がされているな、丁寧に作られているな、と感じる部分があって、自分好みの作品でなくても、イヤな気持ちにならないのです。それはワープというメーカーが、女優さんに対しても作品に対しても、なげやりな気持ちややっつけの気持ちを、これっぽっちも持っていない、ということだと思います。ラブホテルとかでAVをチラッと見て「AVって作りも雑だし、ただセックスしてればいいって感じでつまんない」と思っている人には特に、ぜひ一度見てほしいメーカーです。作り方が非常に丁寧で、映像に清潔感がある。AVに汚いイメージを持っている方、女性の方には特に勧めたいメーカーです。

 ワープというと、業界の中では「ぶっかけもの」(一人の女性に大勢の男性がそれぞれ精子をかけて立ち去っていくもの。あとには精液でドロドロになった女性がひとり残されて、うっとりします)に強いメーカーというイメージがあります。数年前に「COBRA」という痴女レーベルが立ち上げられてから(それ以前にも「女ハ男ヲ目デ犯ス。」などの強力な痴女作品はありましたが)痴女に強いメーカーというイメージもあります。けれど、声を大にして言いたいのは、ぶっかけとか痴女とか、そういう小さなジャンルでワープというメーカーを見るべきではない、ということです。そういう見方をしていると、ワープというメーカーの本質を大きく見誤ることになります。「ぶっかけもの、俺あんまり興味ない」「私も精子とか、あんまり好きじゃないし、責められるのが好きだから痴女モノとか見たくない」はいはい、誰か今そう言いましたね? 好きじゃないものを見ろとは言いませんが、ワープのぶっかけや痴女は、他のメーカーのぶっかけや痴女とは、違います。「ワープのぶっかけ」「ワープの痴女」という、別のジャンルなんです。単なるぶっかけ、単なる痴女と思ってもらっちゃ困る。私もぶっかけなんて、最初は何がエロいのかさっぱりわかりませんでしたが、ワープの「ザーメンby女教師」を見て、ぶっかける側の気持ちやぶっかけられる側の気持ち、ぶっかけたいという欲望や「かけてぇぇ!」という欲望をすごい力で理解させられて、全身から脂汗がにじむほどぶっかけに欲情させられてしまいました。

 それに、ワープの魅力はぶっかけや痴女といったジャンルの魅力に頼ったものではないんです。私の中に、ワープはぶっかけメーカーだ、痴女メーカーだという認識は、ぜんぜんありません。ただ「ハズレの少ない、良質な作品を作る良いメーカー」という認識があるだけです。一部の「痴女好き」「ぶっかけ好き」の人たちのためだけに作品を作っているのではなく、万人に向けて、万人が理解できてエロいと思えるような作品を作っているメーカーだと言ってもいいでしょう。だからこそ私は、最初に紹介するメーカーにワープを選びました。好き嫌いがわかれる可能性の少ない、多くの人に好かれるメーカーだからです。ハズレが少ない、と言うと、消極的な感じに聞こえるかもしれませんが、ハズレだらけの世の中でこれはものすごいことなんです。服で言えばバーバリーとか、ラルフローレンみたいなもんだと思っていただければいいでしょうか。定番であり、良質であり、そして傑作が、あります。定番メーカーというのは、時代に関係なく同じものをずーっと作ってるだけのつまんないメーカーのことではありません。そういうメーカーは、定番になる前にすたれるでしょう。定番であり続けるには、いつも新鮮でなければならないのです。ファーストフードに例えるならば、ワープはさしずめモスバーガーフレッシュネスバーガーという感じでしょうか。敷居が高いわけじゃなく、ファーストフードでありながらも「おいしいものを食べさせよう」という心意気を感じる店。店員さんもなんとなく感じがよくて、でも馴れ馴れしくない距離感、お客さんを敬う距離感はある店。マーケティング戦略もきっちり立てているんだろうけど、「おいしいものを作って、おいしいことで売れよう」という、ものすごくまっとうなことをやっている店、という感じがします。

 ワープは、そんなにむちゃくちゃ大きなメーカーではありません。ムーディーズソフト・オン・デマンドを大手と言うなら、ワープはそれに次ぐ「中堅」と言えるでしょう(それでも独自の流通を持っている、たいへん有力なメーカーです)。さっきバーバリーとかラルフローレンとか書きましたが、そういう服は、ファッション誌の表紙になることは、あまりありません。「ワープってそんなにすごいメーカーなの? 聞いたことないけど」という人もいるかもしれません。でも、弟よ! 姉ちゃんはおまえに最初にワープの良さを知ってほしいんだよ! 無理してヴィトンやグッチ買って、流行りが終わったら飽きて捨てるようなことじゃなく、ずっとつきあっていける信頼できるブランドを知ることから、始めてほしいんです。派手なものや変わったものは、あとでいくらでも教えます。AV鑑賞の千里の道は、ワープから始めてほしい。話はそこからだ!

 というわけで、姉ちゃん熱くなりすぎて、すごい長くなってしまいました。ワープのどのシリーズが良いか、どの作品がオススメかなどについては、日をあらためて語りたいと思います。長くてすでに読むのがイヤになっていなければいいんですけど、姉ちゃんちょっと心配です。

★ワープエンタテインメント公式サイト http://www.waap.co.jp/