水城せとなの『失恋ショコラティエ』面白いねー! いや〜、水城せとなって中学生の頃にBL読んでいいと思ってたけど、まさか今になってまた「すごいいい! 面白い!」と鼻息を荒くさせられるとは……。しかもマンガの色気が健在&良さが増していて、幸せです。


 『失恋ショコラティエ』はBLじゃないんですが、片想いもの。ずっと一人の女を愛し続け、振り向かせるために何でもやってやる……! と燃える主人公(ショコラティエ)と、ついでに周りの男&女もみんな片想い中だったり二股かけられてたりもー! みんないい男だしいい女なのになんでこうなるのー! とじりじりする内容。


 2巻のあとがきを読んだら「最近になってようやく気づいたことがあります。それは『人は現実の世界にはないものを漫画に求めるのではないか』ということ。(中略)でも、この漫画には、現実にあるものが描かれています」……! このあとがきは本当にすばらしい。漫画ももちろんすごい良かったんだけど、「女性が読む漫画には『唯一無二の運命の相手がいること・何があっても変わりない愛を誓いあえる相手がいること』が、求められるのは、そういうこと(=人は現実の世界にはない/または実現するのがとても難しいことを、漫画に求めるのではないかということ)なのだろうと」と、そこまでわかっていてなお、このじりじりしながらも恋の喜びと苦しみのジェットコースターを描いているのか! と思うと、じーんと来ますですよ。水城せとな、いいなぁ。


 ちなみにこれ、猛禽女の研究にもものすごく役に立つと思いますよ……。そしてチョコが、チョコが、おいしそう! そして、そして……いろいろエロいです。そんな直接的なエロはないんだけど、ほんっとここんとこわかってるよなぁ。デキるBL作家はわかってる! 禁欲的なエロがどんだけエロいかということを骨の髄まで知っているよね。


 最近『会長はメイド様!!』にハマって以来、少女マンガづいているな。正直、自分がこんなに少女マンガに飢えていたとは思わなんだ……。ドラマCD欲しいです。