★よく童貞こじらせたルサンチマン系のマンガで、主人公(童貞もしくはそれに類するかんじの人)が愛するヒロインが、実はヤな感じのイケメンとデキていて、主人公は「あいつもそんなクソビッチだったなんて……! 裏切られた!」と血の涙を流すみたいな展開があるけど、もとを正せば主人公のそいつが「かわいいヒロイン」にベタ惚れで、こういうマンガでもブスのことはものすごく残酷にブスに描いてあって、そんな女とは絶対にヤリたくもないとか、ヤッちゃったりするとそれが最低の悪夢のような出来事として描かれていたりして、結局純愛とか言ったって見た目で女選んでることに変わりはないのに、その女が見た目で男を選んだらビッチ扱いってなくね? と思ってしまう。


 童貞にはなんの恨みもいやな感情も持ってないけど、こういうルサンチマン系のマンガに便乗して世間への恨みを晴らしてるような人は苦手だな。イイ男に群がる女を非難する前に、自分の中にあるイイ女とヤリたいつきあいたい愛し愛されたい願望に目を向けたら、そんなこと非難できないと思うんだけど。


 「どうせあんなかわいいコが、俺なんか好きになるわけないんだー!」なんていう悩みが、男だけのもんだと思うなよって、言わないけどいつも思ってるよ。そういうこと言ってる人は、男のロマンに酔いしれてることが多いから、言ってもしょうがないし。かわいくない女の悲惨な話なんて聞きたくないの知ってるし、だいたい「ブス」のことは「女」とカウントしてないんだから、「女だってねー」なんつっても耳に入らないだろう。ブスな女とわかりあいたくもないし、ブスな女の共感も欲しくないんだよね。男のロマンはいいよ、別に。だけど「男のロマンの皮をかぶった、女を見下す目線」にはうんざりする。最初にブスを蹴落としてるのは自分のくせに、自分が蹴落とされたらすごい傷ついたような顔すんの、やめてくんないかな。そんな安い浅いものを「ルサンチマン」とか呼ぶなよ。


 というすさんだ気持ちで迎えるクリスマスイブ。私はどこへ行こうとしてるのかわかりませんが、けっこう幸せです。