紀伊国屋書店

★洋書が必要な用事があって、紀伊国屋書店新宿サザンテラス店に行った。ウッドデッキの通路に出ようと思っていたのに、うっかりエスカレーターで一階まで降りて、しまった! と思った。ここの一階、マンガ売り場で、このうえなく充実してて買い出したら止まらないんだよね……と思いながら、あまり奥まで見ないようにして通り抜けたんだけど、平台はいやでも目に入る。正面玄関にたどりついたとき、そこの平台が目に入って、ぶわっと泣きそうになった。自分がここのマンガ売り場がなぜいちばん好きなのかわかった気がした。


 正面玄関の前の平台に置いてあったのは、『星守る犬』(村上たかし。一時amazonで売り切れ表示になったほど売れてる本)『愛がなくても喰ってゆけます。』(よしながふみ/2005年発売)『攻殻機動隊』シリーズ(士郎正宗! これは、私が覚えてる限り紀伊国屋ではいつも目立つ場所に何年も前からずっと置かれ続けてると思う)『ゴージャス★アイリン』(荒木飛呂彦短編集)『賭博黙示録カイジ』(福本伸行)『マイガール』(佐原ミズ)。


 ここのマンガ売り場の平台には、サブカルとかオタクとか、メジャーとかマイナーとかの棲み分けがない。なんの区別もなく『Real Clothes』(槙村さとる)と『モテキ』(久保ミツロウ)が一緒に平台に置いてある。テキトーに売れてる本を置いてるんじゃないことはわかる。メジャーとか誰向けとかそういうの全部すっとばして、イキのいいマンガ、とにかく面白いマンガ、すごいマンガをドン! と置いてあるのだ。最新のものだけじゃなくて『ファイブスター物語』もずっと置いてある。


 そこにあるのは、ただマンガへの愛そのものなんじゃないのかと思ったら、グッと来た。ああ、こういうこと、やりたいなぁと思った。マンガじゃなくても、こういうふうに世の中を見て、こういうふうにものごとを受け止めて、書けたらいいのにと思った。あの棚はすごい。


 ちなみにそんな紀伊国屋書店のマンガランキング1位は『乙嫁語り』(森薫)でした。最高じゃんか紀伊国屋よ。頭向けて寝てますよ。